南極での日本の観測拠点・昭和基地のすぐそばに、中国が観測施設を設置した。

日本側への事前の連絡はなく、中国側の活動目的によっては、日本の観測活動に影響が出ることが懸念されている。

中国の観測施設は、赤色の球体型の建物で、南極・昭和基地からの距離はおよそ20kmしか離れていない。

関係者によると、中国の船が2022年2月、「しらせ」が氷を砕きながら進んだ航路を使って昭和基地のそばまで近づき、2022年の5月ごろ、施設を設置して帰ったという。

この地点では、日本の観測隊による観測活動が定期的に行われていて、日本側には何の通告もなしに中国側が設置したという。

南極条約では、領土権の主張の凍結・平和的利用・科学調査の自由などがうたわれているが、ほかの国の観測拠点や基地周辺に通告なしで施設を設置することは異例。

中国側の目的や、どのような施設なのかはわかっておらず、長期間にわたるモニタリング調査を行っている日本の観測活動への影響が懸念されている。

https://www.fnn.jp/articles/CX/466064