韓国の聯合ニュースは3日、英BBCの報道(2日)をもとに、米国が約2300年前の遺物である「緑の棺(Green Coffin)」を元の所有者であるエジプトに返還したと報じた。

長さ2.9mに顔の部分が緑色に塗られたこの棺は、エジプト末期王朝時代(紀元前664~332年)司祭アンクヘンマートの棺として知られる。

多国籍芸術品密売業者がエジプト北部のアブシル共同墓地からこの棺を盗んだ後、2008年にドイツを通じてアメリカに密輸入した。

その後、棺は個人コレクターの手を経て2013年ヒューストン自然科学博物館に委託された。

アルビン・ブラッグ・マンハッタン地方検事長は昨年9月、このような内容を発表し、緑の棺が100万ドル以上の価値を持つと明らかにした。

米国外交部関係者らはこの日、カイロでサメ・スクリー・エジプト外務長官などが出席したなか、緑の棺をエジプトに公式に引き渡した。

エジプト駐在米副大使ダニエル・ルビンスタインは「今日の記念式は遺物保護と文化財の保存に対する米国とエジプト間の長い協力の歴史の象徴」であると述べている。

米国は2019年にもメトロポリタン博物館が所蔵していた「黄金の棺」が盗まれた遺物であるという事実が明らかになった際にこれをエジプトに返還した。

この他、米国はマンハッタン地方検察が2021年に押収した略奪文化財142点を昨年本国のイタリアに返還することに決めている。

聯合ニュースは「近年、文化財返還に対する国際的な共感帯が形成され、遺物が元の主人の元に代えるケースが増えている」とし、イギリスやフランス、イスラエルやアイルランド、ドイツでも文化財返還の動きがあることを伝えている。

聯合は韓国の国外所在文化財財団の調査をもとに「2013年から昨年6月まで国内(韓国)に返還された文化財も約780点余りに達する」と伝えた。
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