ノーマルタイヤで雪道走り立ち往生する車が後を絶たない

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2022年12月から2023年1月にかけて、各地で積雪や路面凍結での車の立ち往生やスリップなど事故が報じられるようになりました。

特に、ノーマルタイヤのまま積雪・凍結した道路を走り、立ち往生した車が多いとして、国土交通省は冬タイヤの装着、チェーンの携行及び早めの装着の徹底を呼びかけ。

積雪路で立ち往生したノーマルタイヤ装着車を撮影し矢印で示した、写真付きの投稿をSNSした国道管理者もあり、この投稿には「何度言えばわかるんだ」「まだ理解してない愚か者がいるのか」など、積雪・凍結路面をノーマルタイヤで走行しようとするドライバーへの非難が多く寄せられています。

しかし、こうした呼びかけ・注意喚起もむなしく、ノーマルタイヤのまま雪道で走行不能に陥った車による交通障害は後を絶たないようです。

「四輪駆動でもスタッドレス履かなきゃダメなの?」という投稿も
「未だに理解しない愚か者に告ぐ」夏タイヤ装着車による立ち往生多発…国交省呼びかけ
積雪・凍結路をノーマルタイヤで走行するのは法令違反

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スタッドレスタイヤやタイヤチェーン等を装着せず、ノーマルタイヤのまま雪道を走行することは、ほとんど場合で法令違反の行為となります。

道路交通法第七十一条「運転者の遵守事項」の第六項において、車両等の運転者は「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」を守らなければならないとされており、沖縄県を除く各都道府県の公安委員会で「積雪または凍結している道路において自動車は、タイヤ・チェーンや防滑タイヤ等の取り付けによって滑り止め措置をすること」とルールを定めています。

これによって、滑り止め措置をしていない車で積雪または凍結している道路を走行することは、「公安委員会遵守事項違反」に該当。

違反点数はありませんが、大型車等なら7,000円、普通車と二輪車では6,000円、原付で5,000円を反則金として支払わなければなりません。反則金を支払わず、刑事処分となった場合は3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が課されます。

違反時の反則金はスタッドレスタイヤを買うよりずっと安い

夏用のノーマルタイヤで雪道を走行した車が立ち往生した、スリップ事故を起こしたといったニュースは、毎年と言ってもよいほど、降雪期になると報じられています。

そのたびに国土交通省をはじめ、自治体や各メディア等が呼びかけを行っていますが、ノーマルタイヤのまま雪道を走ろうとするドライバーにその声は残念ながら届いていないようです。

前述のとおり、滑り止め措置をしていない車で積雪または凍結している道路を走行することは違反行為です。しかし、この違反に対する罰則が「あまりにも軽すぎる」とSNS等で罰則強化を求める声が近年増加しています。