近年、PTA解散の動きが出ている。長野県内でも松本市の中学校のPTAが2022年度末で解散することを決めた。
PTAは保護者と教職員による学校運営を支援する集まり。ボランティアで運動会やバザーなどの手伝いや通学路の見守りなどをする。
なぜ、PTAを解散するのか、今後も広がるのか…。背景と課題を探った。

長野県松本市)

松本市の筑摩野中学校。2022年度の生徒数はおよそ700人で市内一の規模だ。そのPTAが2022年末、ある決断をした。

「今年度を持ってPTAは解散します」

県PTA連合会によると「解散」は、長野市の大岡小学校・中学校のPTAに次いで県内2例目だ。

大岡小・中学校のケースは児童・生徒が減り、保護者が連続して役員になるなど、
負担が増したことが主な要因だった。2021年度で解散、地域住民を巻き込んだ新たな活動を模索中だ。

筑摩野中は、やや事情が異なる。今回、会長と校長にインタビュー取材を要望したが、
「地域の動揺が収まっていない」との理由で断られ、話だけ聞くことができた。

2人によると、解散の主な理由は2つだ。

■解散理由(1)「加入率低下」
2020年、保護者から次のような声が上がった。

(保護者)
「PTAへの加入は任意のはず。意思表示が必要だ」

これを受けて、PTAは2022年度、「加入は任意」とした上で、書面で意思確認をした。

すると、2022年度の加入率は9割以上だったが、2023年度は8割ほどに低下。
学年によって差があり、1年生は8割程度、2年生は7割程度、3年生は9割程度。
中には6割近い学級もあった。

■解散理由(2)「難航する役員選び」

数年前からPTAの役員決めが難航。共働きなどを理由に断る保護者が相次ぎ、
PTAの在り方自体を疑問視する声もあった。

PTAは「このまま続けるのは困難」として2022年10月、解散と新たな有志団体を設けることへのアンケートを実施。9割以上が賛同したことから2022年12月、臨時総会で解散を決めた。

(PTA会長)
「他に良案があれば存続させたかったが、このままでは組織として機能しないと思った。
保護者にとっては前向きな決断をした。ただ伝統をつなぐことができず、申し訳なさも感じている」

2023年度からは保護者や地域住民で有志の団体をつくり、引き続き、中学校を支援することにしている。

以下省略
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bbc216cd4ceb98473e8a5f9c6c89b544197e064?page=2