4/8(土) 12:36    水上賢治映画ライター
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizukamikenji/20230408-00344761

 今年1月、政治活動家、鈴木邦男氏の訃報が伝えられた。各メディアが報じていたので、そのニュースに触れた人も多いのではないだろうか?

 ご存知の方も多いと思うが、鈴木邦男は、新右翼団体『一水会』元顧問。ただ、時代が変化したのか、国家・政治が変わったのか、いつからか彼は左翼、右翼にとらわれない民族派リベラリストと呼ばれるようになっていた

 それほど彼は右翼も左翼も関係ない、さまざまな立場の人間と交流をもち、さまざまな意見に耳を傾けた。

 自分の主義主張だけを振りかざして、ほかの意見には一切耳を傾けない。そういう人物ではなかった。

 いまから3年前に公開された中村真夕監督のドキュメンタリー映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」は、その鈴木の半生と人間性に迫った。

 亡くなったいまとなっては、鈴木の晩年を知ることができる貴重な記録といえる。

 そして、そこには、彼の「遺言」ともいうべき言葉の数々が収められている。

 その残された言葉は、不誠実で不寛容ないまこそ響いてくるところがある。

 追悼の声が集まりアンコール上映が決定した本作について、改めて中村真夕監督に訊く。(全四回)

中村真夕監督
カメラを回しながら『鈴木さんの最後の姿を撮っている』という意識が
どこか頭の片隅に常にありました
 ドキュメンタリー映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」については劇場公開時、中村監督に詳しく話を聞き、インタビューを掲載した(2020年のインタビューはこちら)。