17日午後0時20分ごろ、神戸市長田区の集合住宅で、「振り込め詐欺が疑われる電話があった」と住人から通報を受けた兵庫県警長田署員が現場に駆け付けると、同じフロアの別宅前に少年が立っているのを見つけた。半開きのドア越しに家人とやりとりしており、不審に感じて職務質問すると、特殊詐欺事件の「受け子」と認めたため、窃盗未遂の疑いで現行犯逮捕した。

 長田署によると、少年は同市垂水区に住む無職の16歳。白色の長袖シャツに黒色ズボン姿で、銀行協会の職員になりすまし、82歳の女性から銀行のキャッシュカードをだまし取ろうとしていたという。

 少年「(カードを)ここに入れて」「暗証番号を教えて」

 女性「なんでや?」

 署員の目前でそんなやりとりを繰り返しており、職務質問に対して少年は、持参した封筒にカードを入れさせた上で、隙を見て別の封筒に入れたトランプカードとすり替える狙いだったと明かしたという。

 集合住宅の防犯カメラを調べると、少年に同行する少女がいたことも判明し、約2時間後に同市長田区内で見つけた。同市垂水区に住む無職の16歳で少年の知人といい、「(少年と)協力してやった」と認めたため、同じく窃盗未遂容疑で逮捕した。

 住人の女性は、事前に百貨店の職員を名乗る人物から電話を受け「あなたのカードを使った人がいる」「銀行協会から連絡が入る」などと言われたと説明。詐欺グループは同じ集合住宅で複数の住人にアポ電を入れていたとみられる。

https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202304/0016256149.shtml