今回の統一地方選で、神奈川県内では社民党の公認候補がいずれも落選し、公認の地方議員が一人もいなくなった。旧社会党時代の1991年には県議29人を擁していたほか、福島瑞穂党首(参院議員)が県連代表も兼任する「お膝元」にもかかわらず、党は存亡の危機に陥っている。

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山崎さん(右)の応援に訪れた福島党首(22日、神奈川県藤沢市で)

 「平和や暮らしを守ろうとする我々への期待感は得られたが、力不足だった。社民の議席をなんとしても獲得したかった」

 後半戦の投開票から一夜明けた24日朝、藤沢市議選(定数36)で落選した新人で元県職員の山崎公江さん(67)は肩を落とした。事務所に集まった支援者も「こんなに良い候補者なのに悔しい」と漏らした。

 選挙戦最終日となった22日には、福島党首が藤沢駅前に応援に訪れ、「平和を守り、憲法を生かす社民に1議席をください」と連呼した。だが、山崎さんは立候補者55人中45番目に沈んだ。

 前半戦となった9日投開票の相模原市議選で、社民は県内で唯一確保していた議席を失った。藤沢、横須賀市議選で新人が落選し、県内に公認の地方議員はいなくなった。党関係の地方議員はいずれも「推薦」の2人だけで、綾瀬市議選で初当選の無所属新人と、4年前に無所属で当選して9月で任期満了となる秦野市議会の現職となった。

 県選挙管理委員会の集計では、前身の旧社会党は1991年の統一地方選で県議29人、政令市議28人、一般市町議46人が当選するなど一大勢力を築いた。社民党として初めて挑んだ99年は県議1人、一般市町議14人が当選。ただ、以降は県議会で2011年に議席を失うなど、党勢の退潮が止まらない。

 今期限りで引退する相模原市議で、県連の金子豊貴男幹事長は「力及ばず残念な結果に終わった。組織の高齢化は課題だが、今回の選挙戦を通じて若い世代ともつながりを持てた。立て直しを進めたい」と語った。

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