0001きつねうどん ★
2023/06/07(水) 06:57:56.28ID:Nc4DKzR5https://magmix.jp/wp-content/uploads/2023/06/0602-kekkoukamen-01.jpg
『けっこう仮面』文庫版1巻(KADOKAWA)
「子供の頃に読みたかったけど読めなかったマンガ」というアンケートがあったら、きっと永井豪先生の『けっこう仮面』が上位に入るでしょう。「月刊少年ジャンプ」で4度の読切り作が好評で1975年10月号から連載、78年10月号まで(全30話)続きました。2023年で、あれから45年が経ちます。
当時、特に小中学生だった現在の50?60代の男性が「読みたかったけど読めなかった」理由は、なんといっても『けっこう仮面』の姿です。何せ、ヒーローが「裸の女性」ですから、立ち読みもしにくいし、親に見つかるのが怖くてコミックなんて買えません(というかレジに持って行けません)。
「ジャンプ」やコミックの表紙に描かれた、赤で統一したマスク、マフラー、手袋、ブーツにあらわな巨乳(大事な部分は何かがじゃまして見えない)という艶姿を横目で見ながら、妄想だけを膨らませていたのです。
上記のような事情からか、おかしな現象があるようで、年月が流れても結局『けっこう仮面』を読んでおらず、物語の内容はよく知らない人がけっこう多いようです。当然アニメ化もされていないため、同じ永井豪先生原作の『キューティーハニー』のイメージもあって、『けっこう仮面』も悪の組織の敵と戦う王道ヒーロー物語だと思っている人も多いようですが、実はちょっと違います。
簡単に内容を紹介すると、本作はエロティックな描写が多いのはもちろんですが、一言でいうと「パロディギャグマンガ」で、今では「絶対NG」な作品です。
『けっこう仮面』のあらすじは……進学率100パーセントの「スパルタ学園高校」を舞台に、女生徒に体罰を与えている悪徳学園長・教師と、謎の覆面を被ったほぼ全裸のウーマンヒーロー「けっこう仮面」との対決を描きます。はたしてけっこう仮面の正体は?
見どころは「いじめられる裸の女性」だけでなく、毎回変わる「けっこう仮面」の敵です。それが必ず、巷で人気のマンガ、映画、TVアニメといった作品のパロディになっていました。ちなみに、タイトルも『月光仮面』から拝借して付けられています。
凄すぎたパロディの数々。「手塚先生ごめんなさーい!」「横山先生ごめんなさーい!」
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『けっこう仮面』と『キューティーハニー』を混同している人も多かった? 画像は一冊まるごとキューティーハニーの魅力が詰まった公式ムック『キューティーハニー 最強のヒロイン』(英和出版社)
『けっこう仮面』でパロディの対象にされたのは、たとえば……
・「危険な罠! 公開おしおき」の回は、横山光輝先生原作『鉄人28号』のパロディで「鉄人似獣八五郎」という大男が「ガオォォォー!」と大暴れ
・「反逆のメロディー」の回は、梶原一騎・川﨑のぼる先生原作『巨人の星』のパロディで星飛雄馬ならぬ「干病魔(ほしびょうま)」が「大リーグ筆記試験ギプス」を使って生徒を特訓させるという内容
・「この胸のときめきを」の回は、手塚治虫先生原作『鉄腕アトム』のパロディで、鉄のかぶとをかぶった豚馬飛雄(とんまとびお)こと鉄腕オツムが登場
・「女帝軍団の陰謀」の回は、石ノ森章太郎先生原作『サイボーグ009』のパロディで、「裁縫部009」の部員9人の女性(顔が本物そっくり)が登場。リーダーの名前は島村お嬢