6/15(木) 6:32   東洋経済オンライン
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通常国会の当初会期末(6月21日)が1週間後に迫り、「会期末解散」をめぐる政局緊迫の中、「進撃の維新」として次期衆院選をにらんで意気軒高なのが日本維新の会(維新)。4月の統一地方選・衆参補欠選挙での大躍進で、「次は野党第1党になって、自公政権打倒の足掛かりをつかむ」(幹部)と意気込む。

 自公政権打倒に目標を定めた維新が狙うのは、「“脱大阪”による全国政党化」だが、現状では、その前途に多くの“落とし穴”が待ち構える。党内で顕在化するいわゆる「東西対立」に加え、セクハラ・暴言などによる「問題議員」が続出しているからだ。

 会期末を前に、馬場伸幸代表は「全国の小選挙区に候補を擁立する」とぶち上げたが、次期衆院選への準備不足は明らか。「粗製乱造で候補を立てれば、自滅する」との不安に加え、野党第1党を争う立憲民主との罵り合いも激化していることで、「現状では自公政権に漁夫の利を与えるだけ」(国民民主幹部)との厳しい指摘も少なくない。

 4月の統一地方選を受けて、維新は各種世論調査の政党支持率で立憲民主に大差をつけ、巨大政権党・自民の足元も揺さぶる勢いだ。ただ、快進撃の裏側で、地域政党・大阪維新の会所属議員に加えて国会議員の不祥事続出が、馬場氏ら党幹部の悩みの種となっている。

■不祥事への後手後手対応で内部批判噴出

 その典型が、いわゆる「文春砲」の餌食になった大阪府議団前代表・笹川理(おさむ)府議の維新所属女性大阪市議へのセクハラ。この問題での党幹部の後手後手の対応が厳しい批判を招いたうえ、大阪維新が慌てて実施した党内調査でも新たなハラスメント疑惑が浮上。所属議員ら約340人を対象に、大阪市の党本部でのハラスメント研修開催を余儀なくされた。

 笹川氏のセクハラ問題の発端は、大阪府議団を率いていた同氏の女性市議への不適切な言動が、5月17日の文春オンラインで暴露され、直ちにネットなどで大炎上したこと。ただ、その際、維新の党幹部は口頭で厳重注意しただけで、笹川氏の府議団代表続投も認めた。