先月23日から24日にかけてモスクワに進軍させるなどの反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル・グループ」の創設者、エフゲニー・プリゴジン氏は、すでにこの世にいないかもしれない。

そう見解を語るのはロバート・アブラムズ退役陸軍大将。在韓米軍の指揮官を務めたアブラムズ氏は、ABCニュースのインタビューに「私の個人的な評価では、プリゴジンを公に見ることは二度とないだろう」と主張。生きているかどうかを聞かれると「個人的にはそう思わない。もし生きているとするなら、刑務所かどこかにいるだろう」と答えた。

ロシア側が発表したプーチン氏とプリゴジン氏の面会についても疑問を呈した。

「プーチンがプリゴジンと面会した証拠を実際に目にすることがあれば、驚きだろう。高度に演出されたものだと思う」と語った。

ロシアのインタファクス通信は10日、大統領府のペスコフ報道官の話として、プーチン氏が先月29日、プリゴジン氏を含むワグネルの指揮官らと面会したと報じた。面会には35人が招かれ、大統領府で約3時間にわたって行われた。ペスコフ氏は、プーチン氏は指揮官らの説明に耳を傾け、雇用やさらなる戦闘での使用について選択肢を提示したと説明したという。

ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介で、同国への安全な亡命と引き換えに反乱を取りやめたとされたプリゴジン氏だが、その後の足取りをめぐって情報が錯綜している。

27日、プリゴジン氏に関連するジェット機が、ミンスク近郊のマチュリシチ空軍基地に到着したことが確認された。ルカシェンコ氏は、同日の会見でベラルーシ入りしたと発表した。

しかし、この約10日後、ルカシェンコ氏は記者らに、プリゴジン氏は故郷のサンクトペテルブルクに戻ったと説明。「(プリゴジン氏は)自由人だが、今後はどうなるかわからない」となどと語っていた。

米当局者からは、ベラルーシ入りを疑う声も上がっている。

米国防総省の匿名の高官は、ニューヨークタイムズの取材に、プリゴジン氏は反乱以降、ほとんどの期間をモスクワとサンクトペテルブルグの間で過ごしていたと説明。プリゴジン氏には影武者がおり、ベラルーシに行ったことがあるかさえ不明との見方を示した。

https://www.mashupreporter.com/retired-general-says-prigozhin-is-not-alive/