中国が新型コロナウイルス禍に伴う厳しい制限措置を3年ぶりに解除した際、
ニエ・シンチュアン氏は自社製革靴の売り上げが増えると期待していた。しかし
実際には需要があまりにも低調なため、1年前の水準から3%値下げして利益を
減らさざるを得なかった。

中国経済の成長が鈍化する中で、国内企業を襲うデフレ圧力の不吉な兆候だ。
消費者が支出の先送りを選べば、政府が打ち出している景気刺激策の効果が
損なわれる恐れがある。

中国人民銀行(中央銀行)や国家統計局などの当局者は長期的な物価下落の根拠は
ないとの見解を繰り返しており、政府はデフレ懸念を小さく見せようとしている。

デフレについて公に語ることは、多くの中国人アナリストにとってもタブーだ。
国内証券会社のあるエコノミストは、当局からデフレについて話すなと指示
されたという。中国経済の改善が着実に進んでいるとのシナリオを伝えるよう
言われたと非公開情報であることを理由に匿名で語った。

中国を拠点とする別のエコノミストは、当局と自社の広報部門からデフレについて
公に論じないよう指導を受けたと述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f0b35a123f83c11547ea862aecd1fc0a7f0ad09