元テレビ朝日社員の玉川徹氏が10日、コメンテーターを務める同局「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。中国政府が、日本への団体旅行を近く解禁するとの方針を日本側に伝えたことに言及した。

 日本政府は、日本への団体旅行を10日にも解禁するとした中国政府の方針を受け、急増も予想される中国人観光客の受け入れに向けた準備を始めた。在中国日本大使館は、中国の旅行社からのビザ(査証)発給の申請増加が見込まれるとして、態勢強化を図る方針。日本政府によると、新型コロナウイルス感染症の流行前の2019年には中国人客がインバウンド全体の約3割を占めていた。団体旅行解禁により、コロナ前の水準に中国人観光客数が回復する可能性もあり、日本国内の観光地で期待が高まっている。

 玉川氏は「インバウンドが増えることがそんなにいいことなのか。実は疑問なんですよね」と指摘。その理由について「輸出で外貨が稼げなくなった分をインバウンドで稼ぎましょうという政府の方針だと思うんですけれども、それって結局、先進国型から発展途上国型に後退しているような感じが僕はするんです。インバウンドの追い風というのは安い円ですからね。つまり日本の国力が下がっているから大勢の人が日本で買い物をするということでもあるんでね」と説明した。そして、「実は先進国の話でいうと、各新聞の記事で注目論文数というのが毎年発表されているんですけど、日本はついに13位まで後退したと。かつて4位くらいだったのが、イランにも抜かれて13位になったと。こういう状況を見ていると、日本はいろんな国際ランキングがどんどん低下しているんですけど、その結果として外国人観光客が増える追い風になっているんだとしたら、それは本当にいいことなのかと思いますね」と自身の見解を述べた。

 これに対し、司会の羽鳥慎一アナウンサーは「短期的には観光業として問題もありますけど、いいことなのかなと思いますけど、根本的には今、玉川さんが言ったようなところの改善というか、それが必要なのかなと思います」と応じていた。

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