韓国でも近年、地方自治体が外国人観光客誘致に力を入れている。その一つで韓国中部の観光スポット紹介の日本人招待ツアーに参加した友人の話が面白かった。2泊3日の日本語の日程表を見ると初日のランチタイムに「中華料理」とあったので一同「なぜ韓国料理じゃないのかしら?」と首をかしげたという。

しかし実際に昼食に出てきたのは韓国料理だったので納得したが、後で担当者に聞いてみて日程表の「中華料理」のナゾが解けた。原文が韓国語で昼飯を意味する「チュンシク(中食)」とあったのを日本語に翻訳する際、「中華料理」にしてしまったというのだ。

「チュンシク」は別の漢字では「中式」で中華料理を意味する。韓国では日本料理は「イルシク(日式)」で韓国料理は「ハンシク(韓式)」という。昼飯は普通、「チョムシム」というので原文にそうあれば間違うことはなかったのかもしれない?

ところが「チョムシム」は漢字では軽い中華料理を意味する「点心」なので、漢字に翻訳してそう日程表に書けばこれも「中華料理か?」となりかねないよ、などと話題が膨らんだ。韓国語では防火も放火も同じく「バンファ」だから日本人は困るが、以上は日本人にとって韓国語の面白がり方である。(黒田勝弘)

https://www.sankei.com/article/20230819-67V4TACPGBMABHRLSHBA3W4DWM/