チャーター船で世界を1周する活動を展開しているNGO「ピースボート」が2023年8月18日、大型クルーズ船「パシフィック・ワールド号」(7万7000トン)で40周年記念イベントを開き、ウクライナの若者をクルーズに招待して戦争の実相を伝える「ウクライナ・ユースアンバサダーズ」プロジェクトを立ち上げることを発表した。24年に日本を出航する航海に参加してもらうことを想定している。

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ピースボートは40周年記念イベントで「ウクライナ・ユースアンバサダーズ」プログラムの立ち上げを発表した。

吉岡達也共同代表によると、「僕たちはウクライナで起こっていることを、やはり見過ごすわけにはいかない」として、立ち上げが決まった。世界各地に寄港したことが縁で、イベントには約60か国の大使館からゲストが出席。大使は30人以上が参加した。ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使は「ウクライナにとって、世界の支援を感じられるということが非常に重要」などとあいさつした。

世界1周クルーズ、100回中20回ぐらいは「ウクライナの船でやったんです」
ピースボートとウクライナの縁は深い。吉岡氏によると「100回ぐらい世界1周をやっていますが、そのうちの20回ぐらいはウクライナの船でやったんです」。「パシフィック・ワールド号」の船長はウクライナ出身だ。吉岡氏は「色々な方から支援をいただける可能性がでてきている」とも話した。

ピースボートはウクライナの港湾都市、オデーサに寄港したこともある、コルスンスキー氏は「今は、ピースボートが訪れる寄港地の一つにオデーサという港を入れることができない」としながら、戦争が終わったあかつきには再び寄港することを吉岡氏と約束したことを明かした。

3年中断していた世界1周クルーズ
コルスンスキー氏は、航海に若者を招待する意義を

「ウクライナにとって、世界の支援を感じられるということが非常に重要。特に、この戦争に勝った後に若者が世界に出て行くことができるのは重要だ」
などと話した。

ピースボートはコロナ禍が本格化した20年3月に帰着してからは航海を中断していたが、23年4月に再開。3か月かけて世界1周した。

イベントが行われたパシフィック・ワールド号は8月23日に神戸を出航し、12月に日本に戻る予定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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