0001きつねうどん ★
2023/09/08(金) 21:18:49.68ID:vgy9M/v6「魔法のかまどごはん」／（提供）筆者
今年、創立100周年の家電メーカー、タイガー魔法瓶。創立は関東大震災が起きた1923年。9月1日の震災でも壊れなかった虎印の魔法瓶は、復興時にとても重宝されたそうです。
それから100年後の震災前日の8月31日、タイガー魔法瓶は炊飯器について新しい製品提案を発表しました。名付けて「魔法のかまどごはん」です。
Web限定、10月20日発売、1万9800円（税込み）。先祖返りしたようなこのシステムは元・品質保証部（品証）の社員から提案されたものでした。
製品を世に出すにあたり、メーカーは性能に余裕を持たせ設計します。そうすることで、ユーザーのところで発生するかも知れないトラブルを防ぐためです。それでもいろいろな理由で、トラブルは発生します。
品証は製品品質を守る最終絶対防衛部隊。非常時には出荷停止を工場に言い渡します。出荷しなければならない工場に対し、それを止めるのは大変なこと。このため品証は工場長の下ではなく、社長の下に配置されます。客観的な理由で出荷停止できるように社長が品証を守るのです。
そのため品証で長く働くと高い視点から物事を見る癖がつきます。今回、元品証の社員は、余って廃棄処分される保管パーツをどうにかできないかと考え、アイデアを出したそうです。
保管パーツとは、生産終了後10年間、保管される部品で、修理などに使われます。保管パーツが余るのはユーザートラブルが起きなかった証しでもあります。
炊飯器の場合は炊飯器の内釜も保管されます。内釜は炊飯器の心臓パーツです。全員が手塩にかけてきた内釜は特に廃棄処分するには忍びなかったと、品証元社員は話しました。
廃棄予定の内釜を再利用
現在、世界では資源が枯渇しつつあります。SDGs（持続可能な開発目標）の精神の一つ、「もったいない」をないがしろにする会社と共に未来を歩こうという人はいなくなるでしょう。そうしてタイガーは本来、廃棄予定の内釜を再利用できる小型のかまどを作ったのです。名付けで「魔法のかまどごはん」。
新聞紙36面（18枚）分を燃料に5合まで炊けるかまどシステムです。かまどはセラミック製で、そこに炊飯器の内釜がセットされます。
炊き方は、「はじめちょろちょろ……」の歌の通り。新聞紙1枚を丸め1回分とし、左右の穴に交互に入れて炊きます。初めはかまども温まっていないので煙が出ます。火力も弱い。90秒ごと、7回入れます。そのうちいいあんばいにかまどが温まってきます。こうなると新聞紙から煙も出なくなります。続けて1分間隔で10.5枚を投入。「中ぱっぱ」です。
最後に0.5枚を投入して蒸らします。「ひと握りのわら燃やし、赤子泣いてもフタとるな」。すると歌の通り。実においしく炊き上がりました。改めて火の力強さを再認識するとともに、炊飯への理解が深まりました。今、あなたが読んでいる「ゲンダイ」でももちろんご飯が炊けます。「ゲンダイ」はタブロイド判ですので、数枚増やす必要がありますが。
単に新聞自体を燃やすことは消防法上許されませんが、アウトドア、教育、災害時では問題ないそうです。かまど体験に挑戦してみませんか？
（多賀一晃／生活家電.com主宰）
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/328691
