北海道が世界に誇るホタテ。

 いま中国による輸入禁止で打撃を受けています。
 
 そんな中、支援の動きが広がっています。

 午前3時30分、雨が降るなか港を出る男たち。
 
 北海道が世界に誇る水産品は彼らが支えています。

 オホーツク地方の雄武町では多い日には200トンが水揚げされます。
 
 漁は順調ですが、漁業者の表情は晴れません。

 「やっぱり収入が少なくなって支払いが困るなあとかという風には。そこですね、やっぱり一番の心配は。」 (ホタテ漁師)

 逆風の理由は東京電力・福島第一原発の処理水の海洋放出。

 そして中国の輸入禁止です。

福島第一原発の処理水の海洋放出も原因の一つ

 雄武町のホタテ漁船を取りまとめる上林秀範さんが心配しているのは、輸出できないことによる価格の低下。
 
 収入が落ちれば船などの維持も難しくなるといいます。

 「単価が下がって収入が下がって、こういう漁船だったりは毎日使うものですしね、そういったもので漁労機器だったりね、そういうものの購入にあたっての支援は必要になってくると思いますけどね」(雄武町ホタテ船団長 上林秀範さん)

 苦境に立っているのは漁師だけではありません。

 冷凍したホタテを国内外に出荷している町内の水産加工会社です。

 この会社は2022年の売り上げが14億円ほどでしたが、中国の輸入禁止で、2023年の売り上げは2億円ほど減る見込みです。

水産加工会社にも影響

 国内でその分をしっかり消費することができるのかも心配です。

 「安くすると国内で消費はできると思うけど、事業的にはマイナスです。輸入禁止ですか、中国からすると。それを解除してくれるのが一番嬉しい」(水産加工会社の会長)

 そうした中、北海道内の漁業者を応援する動きが。

ふるさと納税で応援

 ホタテを返礼品とした「ふるさと納税」への寄付が急増しているのです。

 北海道東部の別海町では8月24日ごろから寄付が増加。

 日によっては2022年の10倍ほどに増えることもあります。

 「前年比で6~7倍位の応援をいただいていてもうびっくりしてますね。これだけの応援をいただけるんだなって。この機会に国内にホタテを流通してくださいねという激励のメッセージもあります」(別海町 総合政策課 松本博史課長)

 ふるさと納税のサイト「ふるさとチョイス」では雄武町のホタテが、急上昇ランキング3位となりました。

雄武町のホタテが急上昇ランキング3位

 また北海道根室市の石垣雅敏市長は道に対して、道産ホタテをふるさと納税の共通返礼品にしてほしいと要望しています。

 出口はまだ見えていません。
 
 みんなのチカラで道産ホタテや北海道の漁業者を支援する動きが続いています。

https://uhb.jp/news/single.html?id=37621