0001きつねうどん ★
2023/09/21(木) 07:29:09.31ID:h6lPVv5a昭和の必需品として知られる蝿帳ですが、今ではすっかり目にする機会も少なくなりました。そんな蝿帳の歴史と、現代における進化について、いまも製造を続ける北次株式会社の三代目・北次孝得さんに話を聞きました。
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「蝿帳(はいちょう)」
―――いつから製造している?
【北次さん】 弊社の創業は1955年で、当初はシーツやクッションカバーなどを作っていました。蝿帳を作るようになったのは1980年ごろで、それから40年以上が経つ現在も製造を続けています。蝿帳そのものはずいぶん前から家庭で使われていたため、弊社は比較的後発のメーカーでした。
―――なんのために使われていた?
【北次さん】 当時使用されていた人はご存じだと思いますが、準備した料理に虫が寄ってくるのを防ぐためです。現在の洋風建築とは異なり、昔は縁側があるような風通しのいい日本式の住宅が多かったため、家のなかに虫が飛んでいることも普通のことでした。そのため、食卓の虫よけは必須だったんです。皆さんの記憶にある蝿帳はメッシュのものが多いと思いますが、さらに昔は木箱のような形をしていたと聞いたことがあります。
―――販売数はどのように変化してきた?
【北次さん】 やはり家庭で使われることが減りましたので、製造を開始した当時と比べると3分の1ほどに減っています。ただ、現在も年間300~400本ほどは売れていまして、夏になると売上数が顕著に伸びたりします。
現在も“自宅での虫よけ”という本来の用途で使用してくださる人もいますが、ペットが人の食事を食べてしまわないように使用していただくことも。なかには、ラップを毎回使うよりもエコだとして、SDGsの観点で選んでくれる人もいらっしゃいます。さらに、最近ではキャンプをする人に外で使用していただくこともあります。
―――キャンプ用に新しい商品も作ったんですよね?
【北次さん】 そうなんです。2020年、コロナ禍によってキャンプブームに火がついたタイミングで、当社として初となるクラウドファンディングに挑戦し、アウトドア用の蝿帳を作りました。料理をする際の虫問題はキャンパーの皆さん共通の悩みだったそうで、当初設定していた半分の期間で目標額を達成することができました。
社内からもいろいろな意見を集めたところ、「キャンプで使うのであれば、写真に撮っても“映える”ものがいい!」との声が寄せられたため、リアルなテント形を作りました。
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かつては、どの家庭でも使用されていたであろう「蝿帳」。時代の変化とともに食卓で見かけることは少なくなりましたが、新たなシーンで使われ続けていました。皆さんも、進化した蝿帳をチェックしてみてはいかがでしょうか。
※ラジオ関西『Clip』2023年9月21日放送回より
(取材・文=藤田慶仁)
https://jocr.jp/raditopi/2023/09/21/529353/