0001きつねうどん ★
2024/01/11(木) 12:37:49.21ID:EIDIqybq2023年12月、人気の料理研究家・リュウジ氏がX(旧Twitter)で味の素について「体に悪いとか言ってる人全員もれなく反ワクチンなのなんでだろう」と投稿した。
「この投稿はプロが味の素を使うべきかという議論だけでなく、『反ワクチン』という言葉が批判を集めた側面もありました。23年7月には堀江貴文さんがタイのバンコクでおいしかった飲食店をSNSで紹介したのですが、読者が『お店の料理は味の素たっぷり入ってるのでお気をつけください』と投稿。それに対して、堀江さんは『味の素入ってたらなんかまずいんですか?』と問い詰めたことも話題となりました。ここでも賛否のコメントが入り乱れましたが、全体としては堀江さんを擁護する意見が多かったように思います」(ネットメディアのライター)
Xを見ると、味の素を使うと料理がおいしくなると評価する声は多い。だが一方で、味について「画一的」などと批判する声もある。
「『うま味調味料を使った料理はおいしくない』という見解が広く流布した理由として、国民的グルメ漫画となった『美味しんぼ』の影響が挙げられます。何しろコミック版は既刊が111巻、累計発行部数は1億3500万部を突破という驚異的な人気を誇ります。そして『美味しんぼ』の中では何度も、うま味調味料に対する批判が描かれてきました」(同)
■国民的グルメ漫画の影響
例えば『美味しんぼ』の第9巻に「日米味決戦」というエピソードが収録されている。この中で「スッポンのお吸い物を3椀味わい、どの椀が一番おいしいか投票する」という場面が登場する。
「素人はイ、ロ、ハの3椀のうち、イが最もおいしく、ハが最もまずいという評価が多数を占めました。ところが和食の料理人、豆腐料理の研究家、そして大手漬物メーカーの社長は、ハを最もおいしいと評価していたのです。なぜプロと素人の評価が異なったのか、その理由として主人公の山岡士郎はうま味調味料を挙げました。イの椀にはうま味調味料が最も入っており、ハの椀には全く使われていなかったというものでした」(同)
主人公の山岡は、うま味調味料を「かくし味程度に使うならまだしも、大量に加えてしまっては何を食べても同じ後味が残ってしまう」と批判する──というストーリーだ。
たしかに「美味しんぼ」はプロからも称賛された作品だが、漫画であるがゆえの脚色もあるだろう。かつて、「吉兆」の創業者である湯木貞一氏はこんな言葉を残している。
《私は、まだ味の素が出はじめたころ、世間ではいろんな悪口をいっているときに、真先に使わせてもらったものです。おかげで吉兆の料理はうまい、などと言われた一つには、そのおかげもあったかもしれません》
■老舗料理店の創業者も認めた調味料
1969年、月刊誌『暮しの手帖』で、湯木氏は「吉兆つれづればなし」という連載を開始した。この連載は好評を博し、1988年まで約20年間も続いた。この連載をもとに『吉兆味ばなし』として4冊の単行本が出版されている。今では古本でしか購入できないが、第1巻だけは『新版 吉兆味ばなし』として復刊された。その中に、うま味調味料について興味深い記述があるのだ。
「『家庭料理の向上を目指し、和食のコツをプロが教える』が連載の主目的の1つでした。湯木氏は連載で多くのレシピを紹介していますが、その大半はうま味調味料について何も言及していません。ところが卵、豆腐、そして酢の物のレシピでは、うま味調味料を『少し入れる』などと指示しています。効果について言及しているのは卵と酢の物で、うま味調味料と『卵は非常にあう』、酢の物は『ほんの少しで、大変きく』との記述があります」(グルメ誌ライター)
プロはこの記述についてどうみるのか。大手製粉会社で数々の商品開発やレシピ考案に携わってきた、料理研究家の道添明子氏はこう話す。
つづき
https://dot.asahi.com/articles/-/211022