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巨大なイカ像で知られる「イカの駅つくモール」=いずれも石川県能登町で

 能登半島地震で休業していた石川県能登町の観光交流施設「イカの駅つくモール」が8日、一部施設で営業を再開した。モールは観光名所の巨大なイカ像「イカキング」で知られる。当面は物販エリアに限って利用でき、レストランやカフェは休業を続ける。

 施設は年末年始の休業中だった元日、地震で50センチの津波の被害を受けた。屋外にある全長13メートルのイカキングは目立った傷もなく無事だったが、店内が浸水し、テラスのベンチも海に流された。冷凍庫も使えなくなり、イカなどの冷凍品は廃棄。練り物や焼き菓子は近くの避難所に配った。

 3月中旬に水道が復旧。地震の影響などで辞める従業員もいたが、勤務体制を整え、再開にこぎ着けた。施設の林生一郎駅長(45)は「奥能登を元気にするという思いで頑張りたい」と意気込んだ。

◆お客さんも「応援したくて」早速訪問
 この日、物販エリアには干物や塩、日本酒などの名産品が並んだ。町内の主婦(66)は交流サイト(SNS)で再開を知り、ワカメのつくだ煮などを購入。地震前からよく訪れていたといい「少しでも応援したかった。レストランやカフェも早く再開し、観光客を迎えられるようになってほしい」と期待した。

 町は2021年、新型コロナウイルス対策の臨時交付金2500万円を活用してイカキングを設置。コロナ対策とは無関係な支出として批判があったが、名所となった。

 施設の営業時間は午前11時~午後2時。水曜定休。(河野晴気)

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