4/10(水) 1:32配信
読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ff9c6b4525759c06d9c310d2247baf1f4a7cb4a

 3月25日、名古屋市の大同大学で建築を教える准教授の米澤隆(41)は研究室にこもり、図面を見ながら頭を悩ませていた。


 手がけるのは、2025年大阪・関西万博会場内のトイレだ。日本国際博覧会協会(万博協会)が、42歳以下の若手建築家を対象に設計委託先を公募した20施設の一つ。便器は60あり、奥行き13メートル、幅40メートルの敷地に、鉄骨や鋼板で約20の部屋を組み立てる。万博閉幕後を見据え、分解して再利用しやすいデザインにした。

(写真:読売新聞)

 建設費は撤去費込みで約2億円。SNSでは「2億円トイレ」と批判を受けたが、米澤は「面積あたりの単価は決して高いとは言えない」と反論する。

 入札は2回行われたが成立せず、施工会社が見つかっていない。金額を引き上げれば施工会社も引き受けやすくなるが、万博協会は引き上げは考えていない。会場建設費の膨張が問題になり、「これ以上の増額は許されない」(協会幹部)からだ。3回目の入札に向け、米澤は「デザインを簡素化するしかないが……」と試行錯誤する。

 2025年大阪・関西万博の費用には、厳しい視線が向けられている。

 会場建設費は昨年11月、当初の1・9倍の2350億円に膨らむことが決まった。増額は2回目だ。このうち3分の2の約1570億円は、国と大阪府・大阪市が公金で支出するため、国民負担が増す。残る3分の1は経済界が負担する。

 運営費も今年2月、当初の809億円から4割増の1160億円に増額された。運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)が入場料収入で大半を賄う計画だが、赤字になれば国や府・市が公金で穴埋めする事態も想定される。

 市の人工島・夢洲に整備される会場施設で特に批判が集中したのが、万博のシンボル・環状の大屋根(リング)だ。建設費は344億円で、1周約2キロの世界最大級の木造建築物となる。政府が国会で「日よけになる」と説明すると、野党から「世界一高い日傘」などと指摘された。

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