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2021年10月21日 6時0分スポーツ報知

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出陣式で妻の室井佑月氏とともに手を挙げる米山隆一氏


 新潟5区では昨年、作家の室井佑月氏(51)と電撃結婚した前新潟県知事の米山隆一氏(54)=無所属=と、元同県知事の泉田裕彦氏(59)=自民=が激しく火花を散らしている。4月には、前長岡市長の森民夫氏(72)=無所属=も参戦を表明。首長経験者による三つどもえの戦いが繰り広げられている。(坂口 愛澄)

 19日午前8時半、米山氏は長岡市内の選挙事務所で行われた出陣式に室井氏と夫婦そろって登場した。「自民党が変わらないから、政治は変わらない。皆が安心できる当たり前の政治を取り戻します」。語気を強め、新型コロナ対策や地域医療の強化を訴えた。室井氏は真剣な表情で聞き入り、出発前には笑顔で米山氏にたすきを掛けた。

 汚名返上の選挙となる。新潟5区は田中角栄元首相の影響力が特に顕著で、1993年に地盤を受け継いだ長女・真紀子氏は2012年に落選するまで6連勝した。米山氏は自民の公認を得て、衆院選に初出馬した05年、09年と真紀子氏に連敗した。参院選を含めると、国政選挙への出馬は今回で5度目だが、これまでの4度は落選している。16年の知事選ではエネルギー政策で一致した野党の支援を受け、初当選した。だが、女性スキャンダルが原因でわずか2年で辞職し、県民の期待を大きく裏切った。

 米山氏は演説で、女性問題を念頭に「皆さんへの感謝でいっぱい。たくさんご期待していただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけしてしまいました」と謝罪。共に頭を下げた室井氏も約25秒、マイクを握り「勝つのは私たちです。最後まで一生懸命戦っていきましょう」と呼び掛けた。

 室井氏はこの日、全ての演説に付き添った。陣営関係者は「室井さんの言葉には説得力がある。ものすごい助っ人」とたたえ、「『同じ失敗は許されないよ』、『よねちゃん、演説はポイントを絞った方がいいよ』とか皆の前で言っています」と明かした。米山氏は妻の支えについて「自分だけでやっていると自分だけの支持層になってしまうんですけど、室井さんにも支持層がいてプラスになる」と分析し「本当にありがたいし、非常に大きな存在」。室井氏とのタッグで国政選“5度目の正直”なるか。

◆新潟5区(長岡市、小千谷市、魚沼市など)

米山 隆一 54歳 無新

森  民夫 72歳 無新

泉田 裕彦 59歳 自民前1

※敬称略、届け出順。数字は当選回数。年齢は31日の投開票日現在