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2021年10月22日18時22分

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岸田文雄首相=19日、東京都千代田区




 岸田文雄首相は24、25両日に予定する衆院選の遊説について、一泊二日の日程を日帰りに変更した。政府による最近の危機管理に、自民党内から「全然駄目だ」などと不満が出ていることに配慮したとみられる。複数の関係者が22日、明らかにした。


 首相は24日に大阪入り。公明党候補の支持拡大に向け、同党の山口那津男代表とそろい踏みで街頭演説する。翌25日も関西地方で遊説するため、当初は現地泊を予定していた。
 これをキャンセルし、24日夜にいったん帰京、25日朝に再び大阪へ向かう。自民党関係者は「危機管理重視」と理由を説明するが、直前の日程変更は右往左往する印象を与えかねない。
 20日の熊本県・阿蘇山の噴火でも、政府の対応は一貫性を欠いた。首相が第一報を受けた時間について、磯崎仁彦官房副長官は21日の記者会見で回答を拒否したが、翌22日の会見では一転して「午前11時58分」と発表。「国民にしっかりと説明するため、時間を明らかにすべきだと考えた」と釈明した。
 政府の危機管理をめぐっては、衆院選公示日の19日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、首相と松野博一官房長官がいずれも東京都を離れていたため、野党の批判を浴びた。
 発射時、福島市で遊説中だった首相は、そのまま新幹線で北上して仙台市を訪問。そこで選挙日程を打ち切ったが、自民党内から「なぜ福島だけですぐ戻らなかったのか」(関係者)と判断を疑問視する声が上がっていた。