https://www.sankei.com/article/20211022-E7JGRXGNABKTTM3D6J5BNCNZHY/
2021/10/22 21:01


山梨県立あけぼの医療福祉センター(韮崎市)で平成30年、気道確保のため気管内に挿入したチューブが外れ、入所者の少年が死亡したのはセンターの管理体制に問題があったのが原因として、遺族が県に計約5200万円の損害賠償を求め、甲府地裁に提訴したことが22日、分かった。

訴状によると、少年は四肢がまひし、ほぼ寝たきりでセンターに入所していたが、30年12月6日午前4時ごろ、チューブが外れ、呼吸停止状態になっているのを巡回中の職員が発見。駆け付けた主治医が心肺蘇生(そせい)措置を施したが、同日午後8時10分、呼吸不全で死亡したとしている。

遺族側は、チューブを装着した後のセンターの対応に過失があったと主張している。センターは令和元年7月、「原因の解明に至らなかった」とする事故調査委員会の報告書を発表。第三者による故意や、チューブを首に固定するホルダーの粘着力低下などについて検討したが、いずれも可能性が低いとしていた。