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2021年10月23日07時06分

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上海にある中国不動産開発大手の中国恒大集団のビル=22日(EPA時事)




 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団が、未払いだったドル建て社債の利息の一部について、期限前の土壇場で支払う見通しになった。デフォルト(債務不履行)はひとまず回避されそうだが、綱渡りの資金繰りが続く状況に変わりはなく、一時しのぎとの見方がくすぶっている。
 ロイター通信などによると、恒大は23日に未払い猶予期限が切れる社債の利息8350万ドル(約95億円)を、21日に投資家の口座がある米シティバンクに送金した。香港証券取引所に上場する恒大株は報道を受けて、前日終値比4.3%高で取引を終了した。
 恒大は9月23日と29日、今月11日にそれぞれ期日を迎えた社債の利払いを見送った。今回払ったとされるのは9月23日分。30日間の猶予期限内に支払いができなければデフォルトとなるため、次の未払い猶予が終わる29日を控え、厳しい資金繰りが続きそうだ。
 さらに年内は別の社債の利払いが相次ぐ。来年には社債の償還期限も迎える予定で、資産売却によるまとまった資金の手当てが急務となっている。
 恒大は不動産管理と電気自動車(EV)の各子会社、香港のオフィスビルの売却による資金捻出を見込んでいた。だが、不動産管理子会社とオフィスビルの売却は不調に終わり、EV子会社の売却交渉も難航しているもようだ。
 恒大は22日、利払い期限の延長などで債権者と合意できなければ、事業に「重大な悪影響」があると警告。デフォルト回避には不透明感が強く、波乱含みだ。