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2021/10/24(日) 07:56:15.77ID:PekaYw9u9毎日新聞 2021/10/24 04:45（最終更新 10/24 04:45） 700文字
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川の水が増え時折、客席に迫る「チャオプラヤ・アンティークカフェ」のテラス席＝タイ中部ノンタブリ県で2021年10月19日、高木香奈撮影
雨期終盤のタイで洪水被害が拡大している。9月下旬から台風などによる大雨が相次ぎ、地元メディアによるとこれまでに少なくとも14人が死亡。被害は全76県の約半数に及び、30万世帯以上が浸水した。国土を縦断する主要河川チャオプラヤ川の下流に位置する首都バンコクも10月末にかけて水位が最大40センチ上昇する可能性があるとして、バンコク都が住民に警戒を呼び掛けている。
被害は当初、北部の農業地帯が中心だったが、中部や東北部にも拡大した。10月初めに約120センチ浸水したという中部ノンタブリ県の飲食店「チャオプラヤ・アンティークカフェ」を19日に訪ねると、店内の水はまだ引いておらず、長靴を履いた店員もいた。
店は経営するジンタナーさん（47）が、川沿いの古民家を改装して今年2月にオープン。浸水後、店を再開すると時折、川から押し寄せる水を椅子の上で避けながら食事する客の様子が動画投稿サイトで話題になった。夜は客足の絶えない人気店になったが、ジンタナーさんの表情はさえない。
浸水で家具や食材が傷んだうえ、安全のために店を閉める時間帯もあり、売り上げは洪水前より1割減少。ジンタナーさんは「とにかく雨期が早く終わってほしい」と話した。近所では、次の増水に備え人々が道に砂袋を積んでいた。
タイでは2011年にも大規模洪水が発生し800人以上が亡くなった。日系企業が多数進出するバンコク近郊などの工業団地も冠水。サプライチェーン（供給網）が寸断され、大きな影響が出た。その後も毎年のように洪水被害が出ているが、14年のクーデターで治水事業が一時中断するなど、抜本的な対策は遅れている。【バンコク高木香奈】
