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毎日新聞 2021/10/24 18:30(最終更新 10/24 18:30) 728文字




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ポスターの貼り間違いで、衆院選と県議補選の候補者がそっくり入れ替わってしまった掲示板=奈良市疋田町で2021年10月23日午前10時44分、林みづき撮影

 衆院選と奈良県議補選の投開票日が同じ31日の「ダブル選」となる奈良市では、一部地域で混乱も起きている。同市疋田町では、掲示板へのポスターの貼り間違いで、衆院選と県議補選の候補者全員が総入れ替えとなる珍事が確認された。なぜ、こんなことが起きたのか――。

 同町の街区公園に設置された2台の掲示板。23日、読者の指摘を受けて記者が現地に行ってみると、向かって右側の「奈良県議会議員補欠選挙 ポスター掲示場」と書かれた掲示板に、衆院選の候補者3人の顔が並んでいた。左に目をやると、衆院選用の掲示板に県議補選の候補者の顔が並んでおり、二つの選挙の候補者がすっかり入れ替わっていた。



 市内で掲示板の設置作業に当たった業者に取材すると、市選挙管理委員会からは「衆院選の掲示板を右に、県議補選を左に」設置するよう書面で指示があったといい、「逆だったのなら、こちらのミスかも……」。ただ、設置作業には市職員2人も同行し、正しく設置されたかを確認していたという。

 市選管の担当者は「貼り間違いはたまにあるが、総入れ替えというのは聞いたことがない」と驚く。掲示板の表示を正しい選挙名に書き換えたり、上からシールなどを貼ったりして訂正することも可能というが、「ポスターを貼り替えてもらう方が早く、各陣営の対応に任せたい」。



 一方、ある県議補選の陣営担当者は「先に公示された衆院選の陣営スタッフが間違え、皆がつられたのだろう。(勝手にはがせば公職選挙法に抵触する可能性もあり)衆院選のポスターを先にはがしてくれないと貼り替えようがない」と困惑を隠さない。市選管は「今後は同じことが起きないよう、職員への掲示板設置位置の徹底や陣営への注意喚起をしていきたい」としている。【林みづき】