衆院選投開票(31日)を1週間後に控えた中で行われた参院静岡選挙区、山口選挙区の両補選は、自民党が静岡で敗れて1勝1敗に終わり、与党は情勢分析に追われた。衆院選では接戦の選挙区は依然多いとみられ、与党側は体制の立て直しを迫られている。野党側は静岡での勝利を共闘への追い風につなげようと躍起になっている。

「無党派が流れた」新たな悩みに
 「さまざまな要因の積み重ねでこうした結果になった。しっかりと分析していきたい」。岸田文雄首相は25日朝、首相官邸で記者団に静岡選挙区の敗因を問われ、こう答えた。

 自民党はこの日は朝から甘利明幹事長と遠藤利明選対委員長が党本部に集まり、静岡での敗因や衆院選の情勢の分析に追われた。党内では岸田政権最初の国政選挙で当初目指した「2勝」ができなかったことで、「選挙の顔」としての首相のダメージを懸念する声が漏れる。閣僚経験者は「国政選挙で勝ち続けた安倍晋三元首相に対し、岸田さんは弱いという象徴になった」と語る。

 党幹部は、静岡の敗戦について「6月の県知事選で負けた影響が大きかった」と分析する。知事選では自民党推薦で元参院議員が無所属で出馬したが、4選を目指した川勝平太知事に敗れた。補選では川勝氏が無所属新人の山崎真之輔氏=立憲民主党、国民民主党推薦=の支援に回り、自民党関係者は「想定内の結果。衆院選に直接的な影響はない」と強弁した。首相が2回静岡入りしたことも「戦う姿勢を見せた」と強調。衆院選への悪影響を否定しようと躍起だ。

 衆院選では野党と競り合う選挙区が目立つが、静岡県連関係者は「無党派が流れたことが問題だ」と指摘する。…(以下有料版で、残り1442文字)

毎日新聞 2021/10/25 21:04
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