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2021年10月25日20時34分

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検問所に立つタリバン戦闘員=3日、アフガニスタン・カブール(AFP時事)




 【ニューデリー時事】イスラム主義組織タリバンの暫定政権下にあるアフガニスタンで、隣国との国境付近で混乱が続いている。取材許可を得ていたにもかかわらず、地元記者が国境警備隊から暴行を受けており、タリバンが組織の末端を統制し切れていない状況が浮き彫りとなっている。


 アフガンの民放トロTVは24日、東部トルカムの対パキスタン国境の検問所付近で、同局委託のフリー記者が取材中、国境警備隊員から暴行を受けたと報じた。記者は「理由もなく殴られ、カメラや持ち物を川に投げ込まれた」と語り、憤りをあらわにした。
 対パキスタン国境をめぐっては、陸路で国外に向かうアフガン人の脱出ルートの一つになっており、タリバンが神経をとがらせている。また、アフガン側から流入する農産品への関税をめぐり、両国当局が対立。21日にはパキスタンのクレシ外相がアフガンを訪問したものの、問題解決には至っていない。
 タリバンは、8月の首都カブール制圧直後から、アフガン人に国内にとどまり、国の「再建」に協力するよう呼び掛けてきた。しかし、タリバン中枢が公に発する言葉とは裏腹に、市民に暴力を加えるタリバン戦闘員も多く、国外脱出の流れは止まらない。今回の国境でのトラブルも、タリバン内での指示の不徹底の一例と言えそうだ。