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毎日新聞 2021/10/26 23:04(最終更新 10/26 23:04) 540文字




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大阪府警本部

 解体前の大阪市営住宅で銅線ケーブルを盗んだとして、大阪府警東住吉署は26日、住所不定の無職、緒方保信容疑者(40)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。銅の取引価格は2021年に入って高値で推移しており、「盗んだ銅線を売って生活費にしていた」と容疑を認めているという。

 取り壊しを控えた市南部の市営住宅では4月以降、少なくとも3カ所の住宅で床下にある配電用の銅線が盗まれる被害が相次いだ。被害は計1・7キロメートル以上(約170万円相当)とされ、府警が関連を調べている。



 逮捕容疑は10月14日午後、大阪市東住吉区住道(すんじ)矢田3の解体予定だった「市営上大和川住宅」に侵入。銅線4本やパイプ状の真ちゅう(時価5143円相当)を盗んだとしている。

 府警東住吉署によると、市職員が7月初旬、別の市営住宅を警戒中に不審な動きをする緒方容疑者を発見。府警の捜査で関与が浮上した。



 電線メーカーなどでつくる「日本電線工業会」によると、21年度上半期の銅取引の平均価格は1トン当たり109万円で、前年同期に比べて1・6倍に上昇している。銅は工業用金属として広く使われている。市場には新型コロナウイルス禍で低迷していた経済活動が回復すれば、需要がさらに増えるとの見方もあるという。【郡悠介】