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毎日新聞 2021/11/1 15:09(最終更新 11/1 15:10) 652文字




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 米国では、自民党が単独過半数を維持したことで岸田政権が安定するとみられており好意的に受けとめられている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「岸田文雄首相は長期政権を築き、中国や北朝鮮の脅威に対処するための強固な基盤を得た」と評した。

 日本政治に詳しい米シンクタンク「米国先端政策研究所」のトバイアス・ハリス上級研究員は「単独過半数維持で、首相は有能なリーダーであることを示した」と話す。甘利明幹事長らが小選挙区で敗れたが「首相の勝利を損なうものではない」とし、「安倍政権下で選挙に強かった自民党を首相は継承できるのか、という懸念を払拭(ふっしょく)した」と指摘した。



 そのうえで「当分は首相交代などの大きな変化はなく、政権が安定することはバイデン政権にとって歓迎すべきことだ」と強調した。

 一方で、来年夏に参院選を控えており、公明党が消極的な自衛隊の敵基地攻撃能力保有などの議論が一気に進むとは考えにくいとも分析する。ただし、どのような政権になろうと台湾情勢での明確な態度や防衛費増額などが日本には求められているとし「首相がこれらの課題にどのような方針で臨むのか注目されている」と指摘した。



 また「今回は野党も選挙区によっては接戦に持ち込んだが、実際に勝利するには明らかに不十分だった」と語る。「日本の有権者は野党に政権を託す能力やリーダーシップがあるとは思っていない。野党側がより印象的で説得力のある指導者を見つけない限り、参院選で自民党が不利になるとは思えない」と話した。【ワシントン鈴木一生】