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毎日新聞 2021/11/1 19:08(最終更新 11/1 19:41) 474文字




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民家のウッドデッキで横たわる熊=兵庫県佐用町上三河で2021年10月31日(同町提供)

 兵庫県佐用町上三河の山間にある民家に熊1頭が一昼夜居座り、町が防災行政無線で住民に注意を呼びかける騒ぎがあった。町などは住民の安全も考えて約28時間後に安楽死させた。

 10月31日午前10時半ごろ、この民家に住む会社員の男性(73)がウッドデッキで寝ている熊を発見し、110番した。たつの署員や町、県西播磨県民局の職員が駆けつけて麻酔銃の使用を検討したが、効果が出るまでの約10分間に暴れる恐れも考慮し断念した。




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民家のウッドデッキで横たわる熊=兵庫県佐用町上三河で2021年10月31日(同町提供)

 熊は時折はうように庭に移動し、再びウッドデッキに戻って横たわり続けた。町職員ら4人が夜通し監視を続け、民家に暮らす男性と妻は敷地内の別棟で夜を過ごした。熊は1日午後2時45時ごろ、麻酔銃を撃たれた後に安楽死処分された。推定12歳の雌のツキノワグマで、老衰していたとみられている。民家敷地の柿の木に爪痕があり、冬眠を前に実を食べに来たらしい。

 県西部の内陸にある人口約1万6000人の佐用町は、町域の約8割が森林で、現場の集落も山間にある。町職員は「熊の目撃情報はあるが、民家に居座ったのは聞いたことがない」と話していた。【阿部浩之】