https://mainichi.jp/articles/20211101/k00/00m/040/309000c

毎日新聞 2021/11/1 20:38(最終更新 11/1 22:20) 619文字




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最高裁判所=東京都千代田区隼町で、本橋和夫撮影

 10月31日の衆院選と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査で、東京都選挙管理委員会が公表した都内の開票結果を毎日新聞が分析したところ、夫婦別姓を認めない民法の規定を「合憲」と判断した4人の裁判官の罷免を求める率が、他の7人の裁判官と比べて2ポイント前後高かった。特定のテーマで罷免を求める率に突出した差が出るのは異例。

 審査対象の11人のうち、6月の大法廷決定で「合憲」の多数意見に加わったのは、深山卓也、林道晴、岡村和美、長嶺安政の4裁判官(告示順)。罷免を求めた票は、林氏の75万3151票(罷免率11・69%)が最多で、深山氏75万1719票(同11・67%)、長嶺氏70万9385票(同11・01%)、岡村氏70万7353票(同10・98%)と続いた。違憲との意見を述べたか、決定後に就任した他の7人の罷免率は9・19〜8・31%だった。



 国民審査は辞めさせたい裁判官の名前の上の欄に「×」を書く。市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」は、「合憲」とした裁判官に×印を付けるようネット交流サービス(SNS)などで呼び掛けてきた。井田奈穂事務局長(46)は「今まで意思表示をしてこなかった人たちの思いが数字に表れたのだと思う。国民審査だけでなく衆院選でも、特に若い世代から選択的夫婦別姓が争点として大きな関心を寄せられていると手応えを感じた。投票で意思表示を続けていくことで社会は変わるはず」と語った。【遠藤浩二、国本愛】