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毎日新聞 2021/11/1 20:44(最終更新 11/1 20:44) 481文字




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突然の解体が通知されたカスタリア大濠ベイタワー=福岡市中央区で2021年7月16日午前11時33分、今野悠貴撮影

 免震ゴムのデータ改ざんが明らかになった東洋ゴム工業=現TOYOTIRE(トーヨータイヤ)=の製品が使われ、住民に急きょ解体が通知された福岡市中央区の賃貸タワーマンションをトーヨータイヤが買い取っていたことが、同社への取材で判明した。同社は今後、予定通り解体に向けた手続きを進めるという。

 マンションは30階建てで2006年に完成し、215戸すべてが賃貸物件。21年7月に管理会社が住民に賃料6カ月分の補償と引き換えに22年6月末までの退去を前触れなく求め、住民に困惑が広がっていた。



 トーヨータイヤは、住民に解体が通知された時期と同じ21年7月にマンションのオーナーだった投資法人と37億4000万円で売買契約を結び、マンションは9月末に引き渡された。トーヨータイヤは解体の理由について「個別の事案については明らかにしない。住民らの問い合わせには個々に対応する」としている。

 同社の免震ゴムのデータ改ざんは15年に判明。同社によると、問題の免震ゴムが使われた建物は全国で154棟に上り、うち150棟でゴム交換などの是正措置をしたとしている。【吉住遊、今野悠貴】