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毎日新聞 2021/11/3 05:00(最終更新 11/3 05:00) 有料記事 1934文字




 衆院選で議席を減らしながらも堅調だった自民党は、日本維新の会が席巻した大阪府内では、候補を擁立した15選挙区で全敗した。同党候補が府内の選挙区で1勝もできなかったのは、1955年の結党以降に行われた計22回の総選挙では初めての事態だった。歴史的惨敗は、「維新旋風」だけでなく、自民側の事情も大きく影響している。

 「大阪では大変厳しい結果となった。本当に申し訳ありません」。大阪9区で自民の原田憲治氏(73)は10月31日夜、維新の足立康史氏(56)に敗れ、事務所に集まった支援者に頭を下げた。比例候補に適用される「73歳定年制」の党の内規により比例重複立候補もなく、通算4期務めた議席を失った。自民の府連会長を務める原田氏は「選挙全体の面倒を全く見られなかった」と述べ、会長辞任も表明。府内の選挙結果への受け止めを尋ねる記者団を振り切るように、足早に事務所から立ち去り、ショックの大きさをうかがわせた。

 自民と維新はともに、府内全19選挙区のうち、公明候補がいる4選挙区を除く15選挙区で候補を立てた。15人の候補者の得票総数は、自民は約100万票で、約158万票の維新に大きく水をあけられた。

 旧民主が政権交代を果たした2009年衆院選でさえ、自民は選挙区から、比例復活3人を含めた計4人を当選させたが、今回は比例復活の2人だけだった。

 自民に何が起きていたのか。…

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