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毎日新聞 2021/11/3 12:45(最終更新 11/3 12:45) 598文字




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新潟地方裁判所=増田博樹撮影

 新潟市北区太田の住宅で2020年2月に運転代行業、本間則光さん(当時49歳)を殺害して現金を奪い放火したなどとして、強盗殺人と非現住建造物等放火、死体損壊などの罪に問われた住所不定、無職、佐藤義春被告(55)の裁判員裁判で、新潟地裁は2日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

 佐藤英彦裁判長は判決で「身勝手な動機や経緯に酌量の余地はない。被害者は被告にお金を貸すなど便宜を図っていたが、恩をあだで返される形で生命を奪われた。遺族が極刑を求めるのも無理はない」と述べた。



 佐藤被告は公判で強盗目的での殺人を否定していたが、判決は、強盗と殺人のいずれも計画性は高くなかったとした上で「売上金を強取する意思で被害者を殺害したことは間違いない」と指摘。「被害者が帰宅した時点で強盗を、もみ合う中で殺害を決意した」と断じた。「本間さんが包丁を持ちだし、怖くなり止めようと殺害した」として弁護側が主張した誤想過剰防衛による減刑を退けた。

 判決によると、佐藤被告は20年2月4日、本間さん宅で本間さんの頭部をモンキーレンチで5回ほど殴り、延長コードを三重に巻き付けて絞殺。現金約11万を奪った。さらに火の付いたろうそくを放置し、住宅や遺体を焼損させた。佐藤被告は当時、本間さんが営む代行業の従業員で、借金を抱えていた。

 佐藤被告の弁護人は控訴について「本人と協議した上で判断する」としている。【池田真由香】