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毎日新聞 2021/11/4 20:08(最終更新 11/4 20:08) 581文字




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東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で

 新型コロナウイルス対策の持続化給付金など計約1550万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元経済産業省キャリア官僚の桜井真(29)、新井雄太郎(28)の両被告=いずれも懲戒免職=の公判が4日、東京地裁(浅香竜太裁判官)で開かれ、桜井被告は被告人質問で「私が傲慢で拝金主義的な人間に成り下がったのが原因」と事件の背景を語った。

 桜井被告は、裁判官からなぜ拝金主義になったのかを問われ、「勉学、スポーツで努力しても評価されず、自信がどんどんなくなっていった。自信をお金で補完していた」と述べた。検察側に「給付金制度は困っている人を助けるためのものではないのか」と追及されると、「本当に申し訳ありません」と証言台に頭を付けて謝罪した。これまでに1900万円を弁済に充てたとも述べた。



 新井被告は弁護側の質問に、高校時代からの友人だった桜井被告の指示で一連の事件に加担するようになったとし、「お金が欲しくてやったわけではない」と述べた。

 両被告は2020年5月〜21年1月、2人が設立したペーパーカンパニー2社の売り上げが新型コロナの影響で減少したと虚偽の申請をし、持続化給付金400万円、家賃支援給付金約1150万円をだまし取ったとされる。だまし取った金は高級腕時計やタワーマンションの家賃の支払いなどに充てられたことが、これまでの公判で判明している。【遠藤浩二】