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2021年11月05日07時10分

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動物愛護法違反容疑で逮捕された男が運営していた施設の元従業員女性と、保護された犬=9月21日、長野県松本市




 劣悪な環境で多数の犬を飼育したとして、動物愛護法違反容疑でペット業運営会社(長野県松本市)の元代表らが逮捕された事件で、同社の飼育施設で約1年前まで勤務していた元従業員の女性が4日までに取材に応じ、「ふん尿はケージから漏れ、目に染みるような臭いがしていた」などと虐待の状況を証言した。


 女性によると、犬はシートなどの敷かれていない金網ケージ内で管理されていた。金網の上で生活していたため、カエルのように脚が開いてしまった犬もいた。施設内にはアンモニア臭が漂い、勤務を始めた当初は吐き気のため仕事をすることが困難だったという。県警によると、犬の大半が貧血や衰弱などの状態にあり、失明したり、腹部に外傷を負ったりした犬もいた。
 女性は、逮捕された同社元代表百瀬耕二容疑者(60)らが「麻酔なしで帝王切開をしていた」と証言。手術時、犬は甲高い声で泣き叫んでいたといい、「言葉を失った。犬の(発する)声じゃなかった」と振り返った。
 女性は保健所などに複数回、相談するなどしたが、状況が改善されることはなかったという。
 百瀬容疑者も逮捕前に取材に応じ、劣悪な飼育状況の理由に従業員不足を挙げ、「かわいそうなことをした。しっかり受け止めて償う」と話していた。一方、無麻酔での帝王切開については「一度もない」と否定した。