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2021/11/05(金) 11:48:10.07ID:SXrIDdg09毎日新聞 2021/11/5 09:56(最終更新 11/5 10:00) 1077文字
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兵庫、大阪、京都の大学・短大に行ったアンケート調査=神戸市中央区で、2021年7月14日午前11時57分、木田智佳子撮影
2022年度の大学入試が本格化する中、朝鮮学校の生徒には、出願前に個別の「入学資格審査」が課せられる状況が続いている。在日コリアンの弁護士や研究者らの団体による調査で、一部の大学では推薦入試による朝鮮高級学校生の受験を認めていないことも判明した。専門家は「子どもの学ぶ権利が脅かされている」とし、審査制度を見直すべきだと指摘する。【木田智佳子】
「学ぶ権利脅かされている」
朝鮮学校など多くの外国人学校は学校教育法で各種学校に分類される。このため、一般的な「高校卒業見込み」を条件とする大学受験の枠外に置かれている。
文部科学省は2003年、高校卒業程度認定試験(旧大検)の合格が必要だった外国人学校卒業生の受験資格を弾力化した。欧米系のインターナショナルスクールは認めたが、朝鮮学校は北朝鮮との国交がないことなどを理由に認めず、大学の個別判断に委ねた。このため、朝鮮学校生は出願前に資格審査を受ける二重の手続きが必要となる場合がある。
また、推薦入試では募集要項に審査への記載がなかったり、あいまいだったりする学校がある。このため、「在日本朝鮮人兵庫人権協会」が21年度の推薦入試について調べた。兵庫と京都、大阪府の私立大・短大で募集要項が確認できた146校のうち、64校で審査に関する記述に不備があった。さらに、追加のアンケートで、医療系の大学など2校では推薦入試で朝鮮学校生の出願を認めていないことが判明した。
今秋、神戸朝鮮高級学校の3年生が公募推薦での受験を希望した都内の専門学校は、出願資格を得るための「認定試験」を設けていた。進路指導教員の朴勇黙(パクヨンム)さん(37)によると、専門学校側は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下であっても、上京が必要な認定試験は必須とし、生徒は受験を断念した。朴さんは「来年度以降の見直しを求めたが良い返事はなかった」と話す。
20年度の入試でも、「高校卒業見込み」を条件とする医療系専門学校の公募推薦に出願できないケースがあった。この専門学校への受験を断念し、別の専門学校に進学した男性(20)は「日本の教育水準と変わらない授業を受けてきたのに」と困惑する。
杉山精一・神戸市外大准教授は「外交と政治に翻弄(ほんろう)され、子どもの学ぶ権利が脅かされている。入学資格審査は政治的影響を受けた制度だ」と指摘する。団体の調査に協力した李洪章(リホンジャン)・神戸学院大准教授は「文科省は個別の審査制度を見直し、全ての大学、短大、専門学校への朝鮮学校卒業生の受験を認めるべきだ」と制度の改善を訴えている。