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2021/11/06(土) 18:33:07.51ID:nCtcs2Co9毎日新聞 2021/11/6 17:10（最終更新 11/6 17:10） 1128文字
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新型コロナワクチンの接種会場の前に掲げられた、早期の接種を促す表示＝北京市内で2021年6月、米村耕一撮影
新型コロナウイルスの感染封じ込めを目指す中国ではワクチン接種の対象年齢を3歳まで引き下げ、一部地域で10月下旬から接種を始めた。来年2月に北京冬季五輪を控え、3回目以降の追加接種も同時に進めている。中国製のワクチンを使う国でも、接種対象を6歳以上に広げる動きが相次いでいる。
AP通信によると、中国政府は6月、科興控股生物技術（シノバック・バイオテック）製と中国医薬集団（シノファーム）製の二つのワクチンについて、3〜17歳の子供への投与を承認。10月に入り、湖北省、海南省、福建省などが11歳以下の子供への接種を求める通達を出し、学校などで接種が進む。共産党機関紙「人民日報」のニュースサイト「人民網」によると、接種には医師の予診と保護者の同意が求められている。
対象年齢を引き下げた理由は、学校などで「密」になりやすく、クラスター（感染者集団）の発生が懸念され、重症化や死亡につながる恐れがあるためだ。英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、中国では10月29日時点で人口の約4分の3に当たる10億700万人が接種を完了。幼い子供にも広げることで、「ゼロ・コロナ」を徹底する狙いもある。
人民網は12歳以上と同様、3〜11歳への接種も「臨床試験データにより、安全性が確認されている」と報じているが、国内の受け止め方はさまざまなようだ。3歳の息子を持つ福建省の女性はAP通信の取材に「ワクチンの安全性を確信していないので、息子には接種させたくない」と話す。一方で上海市の学校に通う7歳の娘がいる女性は「既に多くの人が接種をしている。あまり心配していない」と語る。
アワー・ワールド・イン・データによると、中国の累計感染者数は5日時点で9万7742人、死者数は4636人。感染者ゼロの期間が続くなど封じ込めに成功してきたが、7月にデルタ株が流入。中国国家衛生健康委員会が8月、最後の接種から半年が過ぎた人への3回目の接種を認める方針を明らかにして以降、各地で追加接種が進んでいる。
中国は新興国や途上国にワクチンを供給して影響力の拡大を図る「ワクチン外交」も展開している。中国製ワクチンを調達したカンボジアやチリでは9月、6〜11歳の子供への接種を開始。インドネシア当局も今月、同じ年代の子供への接種を許可した。
ただ中国製ワクチンを巡っては、効果を疑問視する声のほか、投与後の死亡例など安全性に関する情報公開が少ないとの指摘も出ている。香港紙「明報」によると、ワクチン接種後に12歳の娘が死亡したとして、政府に情報公開を求めた河南省の女性が10月に公共秩序騒乱の疑いで地元当局に拘束されたという。【畠山哲郎】
