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2021年11月07日07時07分

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飲食店への営業時間の短縮要請が全面的に解除され、夜を迎えた東京・有楽町の飲食店街を歩く人たち=10月25日、東京都千代田区




 東京や大阪など5都府県での飲食店に対する営業時間の短縮要請が10月下旬に解除され、約2週間が経過した。夕食をゆっくり楽しめるようになり客足は戻りつつあるが、外食の各チェーンでは「新型コロナウイルス感染拡大前には及ばない」「遅い時間は波が引いてしまう」とため息が漏れる。人手確保も悩みの種だ。
 飲食店情報サイトを運営するぐるなびによると、10月の飲食店のネット予約件数は、緊急事態宣言が発令されていた9月に比べ2.4倍に増加。3人程度のグループが多く、時短要請の解除後はさらに予約が伸びているという。
 しかし、在宅勤務の導入・拡充などコロナ禍のさなかに生じた働き方の変化は、居酒屋などに苦戦を強いている。ワタミは全店で営業を再開したが、ほとんどの店を午後11時で閉店。渡辺美樹会長兼社長は「午後8時以降、入店が激減する。二次会まではやらない状況だ」と指摘する。
 ファミリーレストランも家族連れやグループ客が増えているが、午後9時以降は客足が鈍る傾向という。
 コロナ感染拡大から1年半以上が過ぎる中、退職が相次いだアルバイトの補充も課題だ。就職情報大手マイナビ(東京)によると、飲食業界のアルバイト募集件数はほとんどの業態で10月は増加。特に「居酒屋・バー」では直近1週間で4倍以上に伸びた。応募件数も伸びてはいるが「募集件数の増加の勢いには及ばない」(広報)のが実情だ。
 外食各社は店舗間で調整するなどして人員を確保しようと工夫しているが、「学生が多く働いていた都心部は特に厳しい」(外食大手)との指摘も。「夏以降応募者が減り、危機感を持っている」(ファミレス大手)との声が示す通り、当面は厳しい状況が続きそうだ。