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毎日新聞 2021/11/7 18:27(最終更新 11/7 18:48) 754文字




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COP26が開かれている英グラスゴーの市街地でデモ行進をする人々=英グラスゴーで2021年11月6日午後1時37分、信田真由美撮影

 英スコットランド・グラスゴーで国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催されているのに合わせて、地球温暖化対策強化を呼びかける「グローバル気候マーチ」が6日、世界各国で開催された。主催者によるとグラスゴーでは、会場近くにあるケルビングローブ公園に、関心を寄せる市民や環境活動家など10万人以上が集まり、大規模なデモとなった。参加者たちは小雨の降る中、市街地を行進した。

 デモは、英国に拠点を置くNGOなどが連携して企画。「私たちはあなたを見ている」「海が死ねば私たちも死ぬ」などと書かれた横断幕を持って、COP26に出席している各国政府の代表団や政治家らに気候変動対策の強化を訴えた。



 不公正に目を向けながら環境問題の解決を目指す「気候正義」を教えるロバート・ベックフォード・英ウィンチェスター大教授(56)は学生3人と共に参加した。英国籍だがジャマイカ出身の両親を持つ黒人で、「気候変動の影響を受けやすいのは貧しい人、黒人、先住民族など歴史的に経済的搾取によって権利を奪われてきた人たちだ」と強調した。

 ベックフォードさんは、多くの若者が政策を変えようとデモを企画していることを「希望に満ちている」とする一方、「政治家たちが彼らの声を聞いていないことに失望している」と話す。「西洋の力のある豊かな国が全ての決定をしている排他的なCOPを変えていくよう訴えていきたい」と力を込めた。



 一方、南太平洋の島国、フィジーから来たラベタナ・ラギ・セルーさん(29)は「私の国では海面上昇によって、既に住居の移転を余儀なくされた人々がいる。私たちは土地、文化、アイデンティティーを失いつつある。これ以上の気温上昇を許すわけにはいかない」とフィジーの国旗を振ってアピールした。【グラスゴー信田真由美】