https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/11/09/kiji/20211108s00042000564000c.html
[ 2021年11月9日 05:30 ]

https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/11/09/jpeg/20211108s00042000615000p_view.jpg
都議選最終日に小池百合子知事(右)から激励を受ける木下富美子氏
Photo By スポニチ

 東京都議選の期間中だった7月に、無免許運転で当て逃げ事故を起こし書類送検された木下富美子都議(55)が、9日午後に開かれる都議会の委員会に出席する意向を示している。木下氏は当選翌日の7月5日に事故が発覚して以来、公の場に姿を見せておらず出席すれば再選後初めてとなる。

 木下氏は公営企業委員会に所属。9日午後1時からは水道局に対する質疑が予定されている。関係者によると、木下氏は質問を行う準備を進めており、これに先立ち同局の担当者とメールで2度ほどやり取りをし、事実関係の確認などをした。都議会側にも「質問に立つ準備を進めている」と連絡が入っているという。

 木下氏は、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「ファーストの会」公認で板橋区選挙区で再選。しかし、選挙運動期間中に無免許運転で人身事故を起こしたにもかかわらず公表していなかったことが発覚。都民ファから除名処分を受けた。9月には道交法違反容疑で警視庁に書類送検され、免許停止期間中に無免許運転を6回もしていたことも明らかになった。

 木下氏は事故が発覚してから雲隠れしたまま。自身のウェブサイトでは過度のストレスや不安による食欲不振、不眠を訴えていた。正副議長は木下氏に自身の考えを直接説明するよう3度にわたって要請したが、都議選後に2度開かれた臨時会をいずれも体調不良を理由に欠席。その体調が落ち着いたことから出席への意向を示しているとみられる。ただ、都議会が辞職勧告を2度にわたって決議していることから、一部の都議からは委員会自体の出席を問題視する声も出ている。

 木下氏を巡っては7月以降、議員報酬など月約132万円が支給され続けており、12月1日まで在職すれば期末手当も満額の204万円が支給される見通し。木下氏は欠席期間中の議員歳費について寄付などに充てる考えを示しているが、都庁や都議会には苦情が殺到している。出欠がどちらに転んでも混乱に拍車がかかりそうだ。

 《事故翌日小池氏の激励に大はしゃぎ》木下氏は、免許停止期間中かつ選挙戦が佳境を迎えていた7月2日午前7時25分ごろ、板橋区内の交差点で乗用車を後退させた際に停車中の車にぶつかり、50代男性と同乗の40代女性に軽傷を負わせ、そのまま逃走した。翌3日、自身の選挙事務所へ小池氏が激励に訪れたことを受け、スポニチ本紙が直撃すると「勝利に向けて活力がみなぎった」と大はしゃぎ。事故当日の2日は、過労入院していた小池氏が復帰後初の定例会見を実施。木下氏は「いつもなら毎週見ているが(2日は)本当に選挙戦が忙しくて見ることができなかった」と話していた。