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毎日新聞 2021/11/9 13:58(最終更新 11/9 13:58) 737文字




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警視庁=米田堅持撮影

 業務用エアコンに充填(じゅうてん)されている「代替フロン」の処分を業者に依頼する際に必要な書面を交付しなかったとして、警視庁生活環境課は9日、自動車メーカー大手「SUBARU(スバル)」の販売子会社「東京スバル」(東京都文京区)と、同社の施設課担当課長の男性(53)=東京都府中市=をフロン排出抑制法(書面の交付)違反の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。

 代替フロンは家電などで熱を取る物質(冷媒)として使われ、排出すると温室効果ガスになる。代替フロンの排出量が増加していたことから、同法は2019年の改正で、業務用機器の廃棄時に使用者が回収業者らに「委託確認書」を交付するように義務づけ、違反した場合は使用者に罰則(罰金30万円以下)を科すこととした。警視庁によると、改正法で使用者が立件されたのは全国初という。



 送検容疑は2〜3月、同社の東京都八王子市内の販売店解体工事で、店舗用エアコンに充填されていた代替フロンの回収を依頼する際、業者に「委託確認書」を交付しなかったとしている。担当課長は容疑を認め、「確認書の必要性は知っていたが、近隣の騒音対策に意識がいっていた」という趣旨の話をしているという。

 一方、同庁は同店舗のエアコン解体時に代替フロンを大気中に放出させたとして、工事を下請けした八王子市の解体業者「興建総業」と、同社の男性社長(40)と男性社員(40)も同法違反容疑で書類送検した。容疑を認めている。放出された代替フロンは、二酸化炭素に比べて2000倍以上の温室効果があるという。



 改正法の施行を受けてパトロールを強化していた警視庁が3月に解体現場を見つけ、都が同法に基づく立ち入り調査で現場の大気を採取し、代替フロンを検出していた。【斎藤文太郎】