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2021年11月11日07時47分

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日産自動車の英サンダーランド工場で生産される電気自動車(EV)「リーフ」=7月1日




 【グラスゴー時事】英北部グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2040年までにガソリン車の新車販売を停止し、全てをゼロエミッション(排出ゼロ)車とする宣言に、日本や米国、中国などの主要国は参加しなかった。合意したのは二十数カ国のみ。電気自動車(EV)への急速な移行を掲げた議長国・英国の思惑は大きく外れた。


 宣言は、先進国は35年までに、途上国も40年までにガソリン車・ディーゼル車の新車販売をやめ、全て排出ゼロ車にするというもの。しかし、英政府が10日発表したリストには、世界二大市場の米中に加え、国内に大手自動車メーカーを抱える日本やドイツ、フランス、韓国などの名前もなかった。
 1950年代に米国に次ぐ自動車生産台数を誇った英国。その後は競争力を失ったが、EVで先行者利益を確保し、ガソリン車廃止の旗を振ることで、自動車産業の再興を目指していた。
 ジョンソン英首相は「最初に行動を起こし、大胆な取り組みを行うことで決定的な競争力を築く」と強調。日産自動車や米フォード・モーターの英工場に多額の補助金を投じ、EV生産を後押ししていた。ただ、主要生産国や業界からは「急進的過ぎて、ついて行かない国が多いだろう」(日本のメーカー関係者)との見方も出ていた。
 ただ、EV普及のため、充電インフラの整備や車体価格の引き下げなどを目指す取り組みには日米独などが参加を表明した。
 一方、航空機の温室効果ガス排出量を削減する宣言には、日本は米英仏などと共に署名。炭素を排出しない航空燃料の開発・導入を目指す。また、船舶など海運の脱炭素化を目指す取り組みにも日本は参加した。