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毎日新聞 2021/11/12 19:08(最終更新 11/12 19:16) 576文字




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 来年3月の韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」の候補となった尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長が12日、ソウル外信記者クラブで会見した。慰安婦や徴用工問題で冷え込む日韓関係について「文在寅(ムンジェイン)政権になり対日関係が果たして存在するのかというほど失踪状態にある。国内政治に引き込みすぎだ」と強く批判。当選した場合は「歴史問題や経済、安全保障面などを網羅した包括的な解決策を模索する」と、関係改善に意欲を示した。

 尹氏は、1998年に当時の金大中(キムデジュン)大統領と小渕恵三首相が合意した「日韓共同宣言」を基盤にしたうえで「価値と利益を共有して信頼を作る新しい日韓関係の50年を作る」と表明。米中対立が先鋭化する中、「韓米日と韓中日の協力がともに発展するように積極的に努力する」とも述べた。



 北朝鮮による核・ミサイル開発を踏まえ、日米韓3カ国の安全保障面の協力を加速させる必要性も強調。「監視・偵察情報の共有や軍事協力関係をアップグレードさせるしかないことは明らかだ」とも述べた。

 事実上の一騎打ちの相手となっている進歩系与党「共に民主党」の候補、李在明(イジェミョン)京畿道前知事は10日の討論会で「日本は確固たる、いつでも信用できる友好国なのか」と発言。2大政党の候補間で、対日関係を巡る温度差が鮮明になっている。【ソウル坂口裕彦】