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毎日新聞 2021/11/13 12:00(最終更新 11/13 12:00) 有料記事 2585文字




 英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、地球温暖化の影響が指摘される気象災害や食料危機の深刻さを訴える声が途上国の参加者らから相次いだ。一方、日本では「温暖化でコメがうまくなった」との趣旨の発言も。日本の米作りにとって温暖化は歓迎すべきことなのか。【岡田英/科学環境部】

波紋を呼んだ麻生氏の発言
 「年平均気温が2度上がったおかげで北海道のコメがおいしくなった。農家のおかげですか、農協の力ですか、違います。温度が上がったからです」

 麻生太郎・自民党副総裁の衆院選中の発言で注目を集めた北海道産米。実際、道産の「ゆめぴりか」は、魚沼(新潟県)産コシヒカリや山形県産「つや姫」に次ぐ高い価格で取引される第一級のブランド米だ。日本穀物検定協会の食味ランキングでも道産米は「ななつぼし」が11年連続、「ゆめぴりか」は10年連続で魚沼産コシヒカリなどと並ぶ最高ランクの「特A」を獲得している。

 北海道の年平均気温は1898年以降、100年当たり1・6度のペースで上昇している。この変化でコメはおいしくなったのか。

 「さすがに気温上昇…

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