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毎日新聞 2021/11/21 13:00(最終更新 11/21 13:00) 有料記事 2058文字




 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言中は、移動が制限されていたこともあり、新幹線を利用することが少なくなりました。それでも、国内の長距離移動の主役であることに変わりはありません。北陸新幹線の延伸や九州新幹線・長崎ルートの整備などがよくニュースになりますが、どんな計画に基づいて、どのルートをどこまでつくることが決まっているのでしょうか。ニュースの背景や素朴な疑問を「なるほドリ」が質問。担当記者がQ&Aでわかりやすく答えます。

 なるほドリ そもそも新幹線はいつできたのかな?

 記者 1964年に東京―新大阪間で開業した東海道新幹線が日本で初めての新幹線です。高度経済成長期だった国内では、これをきっかけに日本中を新幹線でつなごうと、70年には「全国新幹線鉄道整備法(ぜんこくしんかんせんてつどうせいびほう)」が制定され、「整備新幹線」の建設が進められました。

 Q 「整備新幹線」って何なの?

 A 国が73年に策定した整備計画に基づく新幹線5路線のことです。具体的には北海道(青森―札幌)、東北(盛岡―青森)、北陸(東京―大阪)、九州・鹿児島ルート(福岡―鹿児島)、九州・長崎ルート(福岡―長崎)の五つです。既に開業していた東海道や山陽、計画が動き出していた上越、東北(東京―盛岡)新幹線は含まれません。また、「ミニ新幹線」の秋田と山形は、在来線の線路を利用するため、普通の新幹線ほどスピードが出ません。法律の位置づけも在来線のままです。

 整備新幹線の5路線は1475キロの計画のうち、930キロ(63%)が完成しています。近年では2015年3月に北陸の長野―金沢間が、16年3月には北海道の新青森―新函館北斗(しんはこだてほくと)間がそれぞれ開業し、話題になりました。九州・長崎ルートの武雄温泉(たけおおんせん)―長崎間が22年秋に開業予定で、北陸の金沢―敦賀(つるが)間が24年春ごろ、北海道の新函館北斗―札幌間は30年度末の開業を目指しています。

 Q 整備計画ができてから50年近くたつのにどうして整備が終わっていないの?

 A …

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