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毎日新聞 2021/11/22 18:46(最終更新 11/22 18:58) 623文字




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韓国の文在寅大統領

 「何度も謝ってきたが、もっと努力しておけばよかった」「不動産価格を安定させられず、庶民や新婚夫婦にマイホーム購入の機会を与えることができなかったことが最も残念だ」。来年5月に任期切れを迎える韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日夜、生出演したテレビ番組で、国民に頭を下げる一幕があった。韓国では最近、不動産価格の高騰が目立ち、市民の不満が高まっている。

 文氏が発言したのは、市民の質問に直接答えるKBSの討論番組。不動産関連の質問が出ると、文氏は「とうとう、その問題が出てしまったか」と嘆息。「民間業者が過度な利益を享受できないようにする対策を検討している」とも強調した。



 文氏を支える与党「共に民主党」の大統領候補となった李在明(イ・ジェミョン)・京畿道(キョンギド)前知事が、かつて市長を務めていた京畿道城南(ソンナム)市の都市開発をめぐる疑惑で、批判にさらされていることも意識したとみられる。

 世論調査会社「リアルメーター」が22日公表した調査結果によると、文政権の支持率は約40%。歴代政権の末期に比べると、高い支持率を保っている。



 だが、今年4月のソウル、釜山の両市長選では、宅地開発を担当する韓国土地住宅公社職員によるインサイダー情報を元にした土地投機疑惑が直撃する形となって、与党候補が惨敗。不動産問題は、文政権の「頭痛のタネ」となっている。

 徴用工や慰安婦問題で冷え込む日韓関係についての発言はなかった。【ソウル坂口裕彦】