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2021/11/23 12:18



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少ない水で育つもち米の新品種「嘉大台南糯3号」=台南区農業改良場提供

(台北中央社)従来より少ない水で育つもち米の新品種「嘉大台南糯3号」が中部・彰化で生産されている。9年で開発に成功したといい、気候変動に耐え得る農産物の新たな品種の開発に今回の経験が生かされることが期待される。

行政院(内閣)農業委員会は、気候変動や極端な気象現象などに適応できる「強靭(レジリエント)な農業」の推進を目指している。同委は19日、記者会見を開き、来年度、研究費として8億台湾元(約33億円)を投入すると発表。新品種の開発も進めており、5年後には新たな水稲(すいとう)が4種誕生するという。

嘉大台南糯3号は、嘉義大の教授や同委の台南区農業改良場の関係者らが開発した。従来より2〜3割少ない水で育ち、干ばつに強いとされる。水田で栽培する水稲と、畑で育てる「陸稲(りくとう)」を掛け合わせて作られた。

同改良場の楊宏瑛・場長によると、陸稲は水稲より吸収する水分が少ないとされ、耐乾性を持つ。だが食感が劣るため、水稲との交雑で味を改善した。油で炒める「油飯(台湾風おこわ)」を作るのと団子などのスイーツを作るのでは、異なる種類のもち米が必要だが、嘉大台南糯3号はいずれにも適しているという。

彰化の専用エリアの栽培面積は、すでに100ヘクタール余りに達した。今後は南部・嘉義でも栽培を推進していくという。

(楊淑閔/編集:楊千慧)