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2021年11月23日20時32分

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【図解】リビア

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軍事組織リビア国民軍(LNA)のハフタル元司令官=2020年1月、アテネ(AFP時事)

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リビアの故カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏=2010年3月、トリポリ(EPA時事)




 【カイロ時事】東西に分裂し内戦状態に陥ったリビアで、12月に予定される大統領選の立候補受け付けが22日、締め切られた。選管当局によると90人以上が届け出たが、長期独裁を敷いた故カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏や、かつて首都トリポリへの進軍を指揮した軍事組織リビア国民軍(LNA)司令官だったハフタル氏らが有力とみられる。ただ、いずれの候補も国家の分断を助長する恐れがあり、混乱が終息し安定に向かうか見通せない。
 セイフイスラム氏はカダフィ政権崩壊後に拘束され、死刑判決を受けたものの、2017年に恩赦で釈放された。政情が比較的安定していたカダフィ時代を懐かしむ声の広がりを受け、出馬したとみられる。現地の報道では、インターネット交流サイト(SNS)で「主権と自由を取り戻す選挙の機会を逃してはならない」と訴えた。
 一方のハフタル氏は立候補演説で「(選挙が)混乱から抜け出す唯一の方法だ」と強調した。ロシアやエジプトなどが支援するハフタル氏は東部ベンガジが拠点で、内戦下でトリポリを本拠とする暫定政権と鋭く対立。19年には首都進撃を強行したため、今でも西部を中心に反発が強い。どこまで幅広い支持が集まるかは不透明だ。
 このほかドベイバ暫定首相、東部の代表議会議長だったイーサ氏ら実力者も相次いで立候補した。本命不在での争いとなりそうだが、リビアでは候補者資格や選挙規定などの詳細が十分に整備されていないため、投票にこぎ着けられるか不安視する声も強い。国際社会が大統領選と同日実施を求めている議会選は、先送りされる可能性も高まっている。